北海道のらーめん

北海道は、日本全国でも有数のらーめん文化が根付いた地域であり、地域ごとに特徴的ならーめんが存在します。ここでは、北海道のらーめんの歴史、特徴、各地域の代表的ならーめん、人気店、発展の背景などを詳しく紹介します。


1. 北海道らーめんの概要

北海道らーめんの特徴

北海道らーめんは、大きく分けて「札幌らーめん」「旭川らーめん」「函館らーめん」の3大系統に分類され、さらに地方ごとに個性的ならーめんが存在します。北海道の寒冷な気候に適した濃厚なスープやちぢれ麺が特徴的です。

スープの特徴:
・札幌:味噌ベースが主流
・旭川:醤油ベース+魚介&動物系のダブルスープ
・函館:塩ベースのあっさりスープ

麺の特徴:
・札幌:中太ちぢれ麺
・旭川:低加水の中細ちぢれ麺(スープをよく吸う)
・函館:ストレート麺

トッピングの特徴:
・バター、コーン、チャーシュー、メンマ、ネギ、もやしなどが定番
・札幌では炒めた野菜がのることが多い
・旭川ではラードでスープ表面を覆い熱を逃がさない工夫あり


2. 北海道3大らーめん

(1) 札幌らーめん(味噌らーめんの発祥地)

特徴
・味噌ベースのスープ(豚骨・鶏ガラ・魚介ダシ)
・濃厚なコクのあるスープ+ラードの層で保温性UP
・中太ちぢれ麺がよく絡む
・炒めた野菜(もやし、キャベツ、玉ねぎ)がトッピングされる
・バターやコーンをトッピングすることも多い

発祥と歴史
・1954年、「味の三平」の大宮守人が味噌らーめんを考案。
・当初はお酒を飲んだ後の締めとして人気に。
・1960年代、「純連」「すみれ」などの名店が登場し、全国に広がる。
・札幌味噌らーめんのスタイルが確立され、観光客にも人気に。

有名店
・すみれ(濃厚味噌、ラード層が厚くスープが冷めにくい)
・純連(じゅんれん)(すみれの源流、こってり味噌)
・味の三平(味噌らーめん発祥の店)
・けやき(甘めの味噌スープが特徴)
・白樺山荘(茹で卵無料のサービスが人気)


(2) 旭川らーめん(醤油+Wスープ)

特徴
・醤油ベースが基本
・動物系(豚骨・鶏ガラ)+魚介系(煮干し・昆布)のダブルスープ
・低加水の中細ちぢれ麺(スープをよく吸う)
・表面にラードの層があり、スープが冷めにくい

発祥と歴史
・1947年に「蜂屋」が創業し、焼き干しダシの醤油らーめんを提供。
・1950年代に「青葉」がダブルスープを確立し、旭川らーめんのスタイルが完成。
・気温が低い旭川では、スープが冷めないようにラードを加えるのが特徴。

有名店
・青葉(動物系+魚介系ダブルスープの元祖)
・蜂屋(焼き干しの香ばしさが特徴)
・天金(豚骨系のコクが強い旭川らーめん)
・山頭火(塩ベースのとんこつスープで全国展開)
・梅光軒(伝統的な旭川らーめんの王道)


(3) 函館らーめん(塩らーめん発祥)

特徴
・透き通った清湯(ちんたん)系の塩スープ
・豚骨・鶏ガラベースであっさりした味わい
・ストレート細麺が主流
・具材はシンプル(チャーシュー・メンマ・ネギなど)

発祥と歴史
・明治時代に函館の港にやってきた中国人が提供した「支那そば」がルーツ。
・醤油ではなく塩で味付けするのが特徴で、現在の塩らーめんの発祥地とされる。
・1960年代に「函館塩らーめん」として全国に広まる。

有名店
・函館麺厨房あじさい(澄んだスープと細麺のバランスが絶妙)
・滋養軒(地元で愛される老舗)
・星龍軒(スープがあっさりしていて飽きがこない)
・まつ笠(函館塩らーめんの王道を行く味)


3. その他の北海道ご当地らーめん

(1) 室蘭カレーらーめん

・スープ:カレー風味のとんこつベース
・麺:中太ちぢれ麺
・特徴:カレーらーめんの元祖とされ、スープにトロミがあり、寒い冬でも冷めにくい

(2) 釧路らーめん

・スープ:あっさり醤油
・麺:極細ちぢれ麺(北海道最細)
・特徴:九州の博多らーめんに似た細麺で、スープによく絡む

(3) 帯広豚丼らーめん

・スープ:醤油ベース+甘辛い豚丼のタレ風味
・特徴:豚丼の味を活かしたらーめんで、帯広名物


4. まとめ

北海道のらーめんは、各地で独自の進化を遂げ、日本全国のらーめん文化に大きな影響を与えてきました。札幌の味噌らーめん、旭川の醤油らーめん、函館の塩らーめんを筆頭に、多様なご当地らーめんが楽しめます。北海道を訪れる際には、ぜひそれぞれの地域のらーめんを食べ比べてみてください!