神奈川県は、実は 「らーめん大国」と言ってもいいほどご当地らーめんが豊富で、横浜を中心に日本のらーめん史に大きな影響を与えてきた県です。観光や地元文化とも深く結びついているので、詳しく整理しますね。
◆ 神奈川県のらーめん文化
1.横浜家系らーめん(横浜市)
特 徴
・1974年、横浜・杉田の「吉村家」が創業。
・豚骨醤油スープに鶏油を浮かせた濃厚スープ。
・中太ストレート麺に、ほうれん草・海苔・チャーシューが定番トッピング。
・麺の硬さ・味の濃さ・油の量を注文時に選べるスタイルが広まった。
・文化的影響
・「家系」というジャンルを確立し、全国に派生(直系・インスパイア)店が数千店規模に広がっている。
・今や「豚骨醤油らーめん」と言えば家系を思い浮かべる人も多い。
2.横浜サンマーメン(横浜市)
特 徴
・横浜中華街発祥とされる庶民派らーめん。
・醤油ベースのスープにもやしを中心とした野菜あんかけをのせたもの。
・「サンマーメン=生馬麺(サンマーミェン)」で、”生=新鮮、馬=上にのせる”が語源とされる。
・あっさりしていながら野菜の甘みと旨みがたっぷりで、根強い人気。
3.小田原系らーめん(小田原市・西湘地域)
特 徴
・醤油ベースに鶏ガラや豚骨、魚介を合わせた濃いめのスープ。
・大量の「チャーシューの切れ端」を煮込んだ「スープの厚み」が特徴。
・麺は細めの縮れ麺。
・代表店
・「味の大西」系列が有名で、小田原周辺に広まった。
4.平塚タンメン(平塚市)
特 徴
・戦後まもなく誕生したご当地らーめん。
・鶏ガラベースのあっさりスープに、炒めた野菜(キャベツ・ニラ・モヤシなど)がたっぷりのる。
・ニンニク風味が効いており、スタミナ感がある。
・代表店
・「花水ラオシャン本店」など、今でも地域に根強い人気。
5.厚木シロコロホルモンらーめん(厚木市)
・厚木名物「シロコロホルモン」をらーめんにのせた観光向けご当地グルメ。
・コッテリしたホルモンとらーめんの組み合わせで、B級感満載。
6.藤沢・湘南エリア
・海沿いという土地柄、塩らーめん系やあっさり海鮮系らーめんが多い。
・最近では「二郎インスパイア」「家系」も多く、若者やサーファーに人気。
◆ 神奈川らーめんの特徴まとめ
・全国的に有名→ 横浜家系らーめん(豚骨醤油)
・横浜の庶民派→ サンマーメン(野菜あんかけ醤油)
・西湘のローカル色→ 小田原系らーめん(チャーシューの旨み濃厚)
・戦後B級グルメの流れ→ 平塚タンメン(炒め野菜らーめん)
・観光+B級感覚→ 厚木シロコロホルモンらーめん