福島県のらーめん

福島県のらーめん文化はとても豊かで、県内でも地域ごとに個性あるらーめんが発展してきました。特に「喜多方らーめん」は全国的に有名ですが、それ以外にも魅力的なご当地らーめんがあります。詳しくまとめますね。

◆ 福島県の主なご当地らーめん

1.喜多方らーめん(会津地方・喜多方市)

特 徴

・日本三大らーめん(札幌・博多・喜多方)のひとつ。
・麺は「平打ち熟成多加水麺」で、太く縮れておりモチモチした食感。
・スープは醤油ベースが中心で、あっさりとした「清湯」から、豚骨や煮干しを効かせたコクのあるタイプまで幅広い。
・チャーシュー麺が名物で、分厚いバラ肉や肩ロースをのせる店が多い。

歴 史

・大正時代、中国から渡ってきた「源来軒」の職人が広めたのがルーツ。
・喜多方市内には約120軒以上のらーめん店があり、「朝ラー」(朝かららーめんを食べる文化)も定着している。

2.白河らーめん(中通り南部・白河市)

特 徴

・手打ちの「ちぢれ中太麺」が最大の魅力。
職人が青竹で打つため独特のコシと食感がある。
・スープは鶏ガラを中心に豚骨や野菜を合わせた醤油味が基本。
・透き通ったスープに鶏油(チーユ)が浮かび、香ばしさとコクがある。
・トッピングはナルト、ほうれん草、チャーシュー、メンマと昔ながらのスタイル。

歴 史

・戦後、白河市の「とら食堂」が発祥。
現在も「とら系」と呼ばれる多くの暖簾分け店が全国に広がっている。

3.郡山ブラック(中通り中部・郡山市)

特 徴

・醤油を濃く使った真っ黒なスープが特徴。
・しょっぱい見た目だが、実際にはコクと旨味が強く、比較的マイルド。
・麺は中太ストレートが多い。

ルーツ

・福島県郡山市の「ますや本店」が起源と言われる。
富山ブラックの影響もありつつ、郡山独自の進化を遂げた。

4.会津らーめん(会津若松市周辺)

特 徴

・喜多方らーめんと似るが、よりシンプルで素朴な醤油らーめん。
・平打ち縮れ麺に、あっさり鶏ガラ醤油スープがよく絡む。
・会津は日本酒や馬刺し文化で有名だが、〆にらーめんを食べる習慣も根付いている。

◆ 福島らーめんの文化的特徴

三大ご当地らーめんが揃う県

福島県は「喜多方」「白河」に加えて「郡山ブラック」と、県内だけで複数の独自スタイルが発展。

・麺文化の奥深さ

特に喜多方と白河は「手打ち麺文化」が根付いており、麺そのものが主役になるらーめんが多い。

・観光との結びつき

喜多方市では「らーめん神社」、白河市では「とら食堂詣で」、郡山ではご当地B級グルメの一角として楽しむ観光客も多い。

・朝ラー文化

喜多方は「朝ラー」が全国的に知られる。農作業前や出勤前にらーめんを食べる習慣から定着。